現実へ溺れる

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ドンと落ちたのを感じた。 「うゎあァァァ!」 ここは死の世界。 目の前が真っ暗なので目の辺りを触ってみる。 これはなんだ? それに触れた瞬間、全てを思い出した。 今までの物は夢、そして現実の記憶が頭から溢れ出てくる。 目についたものを外した。 これはVR? 周りを見渡すと暗い病室に、一人で、ベットにいた。 一気に現実が襲いかかってくる。 私は60歳にして、妻などいない、上司もいない、そして親も友達も、小さいときから両足をなくし、親も早くなくなってしまい、私の寿命はすぐと言われた。 私は最後に少しでも幸せを感じたくてVRをしたのだ。 「ああ、アア!アアァァァァァァァァァ!」 腕を振り回すことしかできない。どんなに絶望しても何もできない。 もう死なせてくれ。 その時、意識が薄れた。 これは寿命なのか? 苦しくなっていく。 辛い、けどこれで楽に…………次は歩ける体で生まれたい………おねが………い……しま………。 目の前が真っ暗になった。 これはあの世なのだろうか。 しかし何も見えない。目の辺りに違和感を感じたので触ってみる。…………… 触れない。 「あれ?やっとおきた?」 その声を聞いた時、全てを思い出した。 「あ。ぁぁ。」 頭についたものを外された。 自分の体を見る、右腕、ない、左腕ない。 右足、ない、左足ない。 「ああぁゴガァアァアァ!」 「思い出したみたいで良かった。」 俺はこいつの家族を殺した。 しかし俺は捕まり、四肢をもがれ、こいつにVRをつけられていた。 そしてVRは三回目だということ。 「頼むぅ!死なせてくれぁ!」 涙と鼻水が出てくる。 「そうだね、お前はVRで死にたいという体験を何度もしたはずだ。」 笑顔でそう言ってくる。 「だから死なせない。」 「やだぁァァァ!死なせてくだぁざぁい!」 「やだ。はいご飯」 そう言ってこいつは俺の尿と便を混ぜたものを食わせてくる。 「ウボゲェぇぇ」 そいつは俺につけていたものをもちながら言う。 「これ、俺の想像したものをお前に見せれるから便利なんだよな〜。 ってこれも三回目かぁ〜。」 「あと二回はお前の絶望した顔がみたい。 俺の大事な家族をあんな姿にした……… お前の顔がなぁ!」 そいつはまたつけようとしてくる。 俺ができるのは首を必死にすることだけ。 「やめろぉ〜!やめでぐだざぁい!」 ガチッと捕まれ、何もできない。 誰がぁ………助げでぇ………………もう………………… ……………………………………………………………………………… 私は今の生活に絶望していた。
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