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①
< 生涯の友! 永久の絆! 永久保証付き!
完全自己解決型につき、あなたの手を煩わせることは一切ありません! >
モニターに映し出された宣伝文句に、思わず目をとめたのが運の尽きだった。
様々な動物の可愛いところを集めてぬいぐるみ化したような、自走式の小型ロボットが、くるりとした愛らしい瞳で画面の向こうから僕を見つめていた。
小さい頃から、一度でいいからペットというものを手にしてみたかった。
猫や犬を家で飼っている友だちを、いつも羨ましく思っていた。
だが、親から「責任を持って世話できるの?」と聞かれれば、「無理だと思う」と答えるしかなかった。ゲームやスケボー、科学教室などなど、もっともっと時間をかけてのめり込みたいことがいくらでもあったから――。あの頃は、亀とか金魚だって飼えそうになかった。
大学に入り一人暮らしを始めたときは、寂しさもあって今度こそ何かを飼ってみようと思った。
しかし、その頃住んでいたアパートはペット禁止だった。
おまけに親友が、長年一緒に暮らしてきた老猫を亡くしひどく落ち込んでいるのを見ていたら、いつのまにかそんな気持ちは失せてしまった。
五年前、大学を卒業してそれなりの収入を得られる職に就き、「ペット可」のマンションに引っ越した。今度こそ環境は整えられたと思えたが、何かを飼いたいという気持ちにはなれなかった。
原因は、失恋だ。自分が、「○○ロス」にひどく弱い人間だということを自覚してしまった。
(ペットを失ったら、きっとしばらく仕事も手につかなくなるだろうな)
そう思うと、亀だろうが金魚だろうがとても手を出せなかった。
命あるものは、いつか死を迎える。
機械であっても、いずれ壊れて動かなくなる。
「永遠」なんてものはない。いつか別れが訪れる。
そう思っていた――。
「生涯の友! 永久の絆!」 なんて魅力的な響きなのだろう!
失うことのないペット――、理想的な存在だ!
くるりとした目が嬉しそうに細められ、「あなたに早く会いたいです!」と、画面の中から訴えかけているような気がした。
よし、決めた! これを買おう! いや、飼おう! 完全自己解決型ペットを!
僕は、急いで購入申し込み画面へ移動した。
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