好きと言えなくて

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好きと言えなくて

カンパーイ!! ガヤガヤした店内から隔離された喫煙所 「お前好きな人とかいないの?」 こいつは酔っ払うといつも聞いてくる 「別に?」 「美咲の事好きだと思ったのに」 いつも身内の中から良さげな子を引き合いに出す 「まあ好きだけど、そういうんじゃないし」 「ふーんお前ら仲いいし、むしろ付き合ってんじゃないかと思ってたわ」 「無い無い・・・」 そう話して持っているタバコに火を付ける。 拓海の事は嫌いじゃないし良い連れだと思ってるが 変な勘ぐりだけはどうも苦手だ 「美咲ね〜」 「逆になんで付き合わないんだよ」 「なんでって言われてもな〜。分かんないや」 自分の中では好きになりかけてる、でも男の変な意地なのか 認めたくないのか、なんなのか。 「例えばだけど同じクラスとかさ、同じ職場とかさ、  苦手なの共感できない?」 「別に?好きなもんは好きなもんじゃん?  そんなん気にしてたら一生1人だよ?」 「それもそうだけどさぁ〜」 「とりあえず席戻ろうぜ」 「これ吸ったら戻るわ。」 「おっけー」 やっと静かになった・・・ 「あれ悠真じゃんまだいたの?」 「美咲か、別にもう吸い終わるから・・・」 そう言いながら席に戻ろうとすると 席をバンバン叩いてアピールしてくる 「スマブラのアピールみたいなことしても、戻りますから・・・」 無言の圧はやめてくれ、その顔されると居なきゃ俺が 悪者になる気がする。 「はいはい、とりあえず1本くれ、俺のなくなったんだよね」 「はい」 「ありがと、」 お互いあげたりもらったりを繰り返してるうちに同じ銘柄を吸い出してる。 傍から見たら確かにそんな疑いをかけられても違和感がない。 「そういうところだよな〜」 「なんか言った?」 「なんも、そんなことよりこの間話してたじゃん?」 「あそこの居酒屋?」 「いつ行く?」 「休みが被ってるのいつだっけ?」 こんな感じでお互い予定を組む 毎日ラインもしてるのに会うと話が付きないし予定を組む 「こういうのが良いんだよな〜」 「なんかいい店あった?」 「いやそうじゃないけど」 美咲はぱっとみ小さくて可愛げがあるし実際モテると思う。 だけど彼氏も居ないし作る気も無いらしい。 かくゆう俺もほしいとも思わないしいい子も居ないので このちょうどいい関係を築けてるんだろう。 「でさ〜相談なんだけど・・・」 いつも通り話を聞く、これが日課になっている。
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