第2話 隠したくなるのは

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「わかりました。じゃあ、火曜日は二人でスロット勝負ということで」  こんな展開になることは、実はちょっとだけ想定していた僕だけど、いざ決行するとなると不安が勝る。  純粋に楽しむことだけ考える、とはいかなさそうだ。  千鶴さんは遊びに行くつもりなのかもしれないけれど、翌日には永田さんと話をすることになっているんだ。  そこでどうしたらスロットをやめられるかの対策を話すことになるのだから、僕の意見だって求められるかもしれない。  そんなふうに考えれば、一定の使命感みたいなものも得られるか。  どうにかしてギャンブル色を薄めようとしている僕は、仕事の一環として今回の取り組みをとらえることにした。  二日後の予定が決まり、千鶴さんは再び自分の机に戻っていった。  おそらく執筆業の続きが始まったのだろうけど、この時間になると仕事が激減する僕は、ひとりで静かにスロットについて調べることにした。
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