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「はい?」
足を止めて全体を見渡していた僕に、千鶴さんが合図を出す。
どうやら一度外に出るらしい。
作戦会議でもするのだろうかと、僕は無言でうなずいて階段を下りた。
千鶴さんは今もなお無表情のままだ。
「どうしました?」
外に出て、千鶴さんに問いかける。
時間は午後二時を過ぎたところで、今日も今日とて非常に暑い。
「いや、パッと見た様子だと、みんなちっとも楽しそうじゃないなって思って」
不思議そうな顔で千鶴さんは言った。
遊んでいる人たちの表情を見ていたわけではないが、なんとなく言いたいことはわかった。
「当たってない人はしかたないとしても、全体的にそんな感じでしたね」
「だよね? 大当たりしてるっぽい人も、淡々とボタンを押してるだけっていうか、あの回ってるやつを見てる感じじゃなかったよ」
友達どうして来ているのか、ふたりでわいわい楽しみながら遊んでいる人もいたけれど、多くの人は一人で黙々と手を動かしているだけだった。
スマホで動画やマンガを見ている人もいて、あれは確かに不思議な光景だった。
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