22人が本棚に入れています
本棚に追加
「まずはここにお金を入れて、このボタンを押すとメダルが出てくるはずです」
手本を示す形で、僕が先にやってみせた。ちなみに、お金は各自自腹である。
仕事じゃないから経費にはならないし、そのほうが真剣になれるだろうと千鶴さんは言う。
まずはお試しということで、二人で千円ずつ投入してメダルを得る。
千円で46枚なのだが、これが最もレートが高いものだ。永田さんが遊んでいるのもこれだそう。
メダルがすごい勢いで飛び出してきて、いよいよゲームが始まった。
始めはとにかく、どんな内容なのかを知るようにしないと。
「とりあえず、最初は左のボタンでこの白い図柄を狙うみたいです」
台に備え置かれていた簡易的な説明書を手に、千鶴さんに説明する。
それからメダルを投入し、レバーを軽く叩く。
「わ、近くで見ると意外に速いね」
僕の台のリールを見ながら、千鶴さんは楽しげに言った。
きちんと狙った通りに止められるか、不安を胸に僕はボタンを押す。
最初のコメントを投稿しよう!