第2話 隠したくなるのは

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「難しいね!」  こう言いつつも、千鶴さんは真ん中のボタンで白い図柄を止めることに成功していた。  早くも順応したということだろうか。 「とりあえずこれが基本です。で、青の図柄が揃ったらもう一回遊べて、黄色のベルが揃ったらメダルがもらえます」 「この、セブンとか黒いのが揃ったら当たりなのかな?」 「ですね。でも、そういうのは液晶に狙うように指示が出たときしか揃わないようになってるみたいですよ」 「じゃあ、液晶もちゃんと見ておかないとダメなんだね。っていうか、むしろこっちを見て楽しむべきなのかな?」 「たぶんそうです。画面を見てればなんとなくチャンスっぽい演出はわかるみたいですから、画面を見つつ、白い図柄を狙う感じで進めればいいのかと」  基本的な遊び方を確認し、とにかく数をこなすことにした。  「習うより慣れろだね」と、千鶴さんは楽しげな表情を保ったままメダルを投入していった。
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