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「そこで意見が出なくなったところで、僕の友達に話が振られて」
「お、急展開の予感」
さすが、千鶴さんは作家なだけある。
僕の思惑なんてすべてお見通しだ。
「咄嗟に出たのか、ずっと考えてたのかはわかりませんけど、客とトランプをしたら楽しいんじゃないかって言いだしたんですよ」
「えー、そこでそうなる? 柔軟な発想でいいと思うけど」
千鶴さんを驚かせることができて、僕はまだ話し終えていないというのに、かなりの達成感を得ることができた。
あとは最後まで話しきるだけだ。
「当時、僕たちの間で大富豪が流行ってたんですよ。確かに盛り上がるなと、僕も友達の意見に乗っかりました」
「他の人はなんて?」
「社長が大富豪を知らなかったんで、僕たちで実演したんです。友達はいつでもトランプを持ち歩いてたんで、とりあえず一回やってみることになりました」
具体的な結果は覚えていないが、ものの数分でそれなりに盛り上がったことだけは記憶している。
社長の反応もまずまずで、トランプについての話が進むことになった。
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