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「蓮くんも、スロットのことは詳しくないんだよね?」
「はい。一度もやったことないです」
「いろいろ聞いたんだけど、かなり奥が深いみたいだよ。少なくとも、単なる運まかせのゲームではないみたい」
そうか、千鶴さんは解決策を模索するのではなく、スロットそのものについて話を聞いていたのか。
千鶴さんが永田さんのことをおもしろいと評したということは、きっと熱っぽく語ったのだろう。僕もそういう話をしてもらえばよかったか。
「なかなかやめられないと悩むだけの魅力があるってことですね」
「そうだね。実際あちこちにそういうお店はあるし、需要はあるんでしょう」
僕は実際に見たことはないけれど、新機種が出たときとかイベントがあるときなんかは、朝から並ぶ人も多いらしい。
それを聞くと、まるで勝てる機種がわかるような感じだけど、実際はそんなに甘くないのだろう。
「それで、どうするんですか? 永田さんは五千円のプランを希望してたと思うんですけど」
今日この場で解決しなかったということは、一万円のプランになったのだろうか。
千鶴さんとの話が盛り上がって、勢いで依頼することにでもなったか。
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