第2話 隠したくなるのは

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「水曜日にまた来てもらうことになった。今は学校もお休みみたいだから、時間はあるんだって」  今日は日曜日で、お店の定休日は火曜日だ。  なんとなく次の流れが読めた気がする。 「火曜日に、調査に行くんですか?」 「調査じゃないよ。五千円のプランで引き受けたから」  そうだよな。よっぽどの内容じゃない限り、火曜は探偵業もお休みだ。  これはつまり、仕事ではないということだ。 「えっと、僕はどうすれば……」 「もちろん、二人で行くよ。永田さんからお店は教えてもらったから」  やっぱりそうなるか。初心者二人で乗り込んで平気なのかな。 「えっと、永田さんは同行しないですよね?」 「?」  僕はよほどおかしなことを聞いたのだろう。  千鶴さんは真顔で首をかしげるだけだった。そんな表情も大変かわいらしい。 「いえ、なんとなく不安っていうか、大損しちゃうんじゃないかなって」 「なに、蓮くんってばもう負けることを考えてるの? 永田さんの話を聞けば怖さもあるけど、あくまでも楽しむつもりだよ」  当たらなきゃ楽しくないんじゃないかな。  まぁ、千鶴さんだったら大丈夫か。何の根拠もないけれど、千鶴さんはあっさり勝っちゃいそうな気がする。
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