第2話 隠したくなるのは

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「ちなみに、蓮くんはパチンコならわかるってことはある?」  永田さんの話が終わり、休憩も終わりかと思い始めたところで、新たな話題が投げかけられる。  いや、これも永田さんから聞いたことなのかもしれない。 「いえ、そんなことはないです。大学のときに、パチンコが好きな友達はいましたけど、そいつからちょっと話を聞いたことがあるくらいです」 「へー、そうなんだ。その人って、この前見せてもらった友達グループに入ってる?」  ちょっと前に、僕には友達がいないんじゃないかというあらぬ疑いをかけられたことがあった。  そのときに今も稼働しているグループチャットの画面を見せることになって、千鶴さんが言っているのはそれのことだ。 「いますね。えっと、こいつです」  あれから僕は、積極的に昔の知り合いについて話をするようにしている。  メンバーの一人が結婚することになって、その報告を受けてから少しだけやり取りが盛んになってきたのだ。
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