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「五人だっけ? みんなで行こうって話にはならなかったの?」
「真っ先に興味を示したやつが一人いて、試しに二人で行ってみようってなりましたね。でも、そのときに二人で大負けして、それ以来誰も参加してないです」
「あっはは、そこで大勝ちしてたら、人生変わってたかもね」
「そうですね。もしかしたら僕も、一緒になって遊ぶようになってたかもしれませんし」
「私たちもそうなるかもね」
「勝って味を占めるってことですか? どうなんでしょう」
僕はともかく、千鶴さんがのめりこむことはないだろう。
いや、僕もないか。永田さんには申し訳ないけど、どうしてもギャンブルには抵抗がある。
「楽しみだね。そうだ、どっちがたくさん当たるか、勝負しようよ」
千鶴さんはすっかり乗り気だ。
永田さんの話をしっかり聞いたのなら、最終的に一円も取り返せずに終わる可能性があることだってわかっているはずなのに。
気持ちの持ちようで結果が左右されるのなら、僕は戦いが始まる前からすでに負けが決まっている。
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