57人が本棚に入れています
本棚に追加
告白されたのは昇降口だった。
美梅ちゃんはもじもじと手を遊ばせ、思いの丈を熱く述べた。
はっきり言って、それはギャルゲーだった。どうしてこんな可愛い子が、俺に告白なんてしてるんだ。おう、そうか。彼女は何かの罰ゲームをさせられているのかもしれない。バズり目的の動画でないならきっとそうだ。可哀想に。いじめられてんのかい。
そう思った瞬間、俺の中にどうしようもない火花が走った。
何、こんな可愛い子がいじめられているだと。そんなふざけた話があってたまるか。俺が守らねばならない。俺が弄ばれているのは別に構わない。だが、彼女の背後にある裏の悪党は成敗する必要があるではないか。
冒険と死闘の果てに、俺が倒れたとしても。
さらに裏の巨大な組織に家族ごと消されたとしても。
日本を牛耳るフィクサーに一矢報いるまで。
美梅ちゃんを脅かす世界の陰謀を阻止するまで。
俺は闘う。
そうせねば、死んでも死にきれるものではない。
俺の墓標は美梅ちゃんの胸の中にあればよい。そしてもし俺が生き延びたなら、そのときは恋をしよう。美梅ちゃん。俺は君のために死ぬ覚悟ができたよ。
最初のコメントを投稿しよう!