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のような誓い
『美梅ちゃん』
俺は恥ずかしそうに瞳を潤ます彼女に言った。
『大切な気持ちをありがとう。俺も君が好きだ。でも、その前にやらなければならないことがある。一週間、返事を保留させてほしい。と言っても、俺は君が好きだ。ずっと片想いしていた。君に相応しい男として、改めて俺から告白する。そしたら、二人で苦難を乗り越え、いつの日にか祝言を挙げよう』
美梅ちゃんは不思議そうな顔をした。
『⋯待つのは覚悟してたけど、十川くんは何を考えてるの?』
それに俺は、イケメンに見えなくもない(角度で)笑顔を作った。
『ああ。長き死闘をくぐり抜ける自信をつけるのさ。生涯かけて美梅ちゃんを守りたいから』
彼女はさらに訊いてくる。
『えっと、返事はオッケーで、でも来週に十川くんから告白してくれて、そこでやっと二人は付き合える⋯という解釈でいいのかな』
俺は頷き、騎士のように見えなくもない(精悍を気取った)貌で応えた。
『少しだけ待たせてすまない。だが俺は、心の勇気に誓って君を悲しませたりしない』
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