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「重い」
「ごめん、そういうのさ、もうきつい。付き合いきれない」
えっと、そういうのって。
「重いんだよ、俺には」
ごめん。……わかった。
ダメだとわかっていたのに、またやってしまった。美紅は唇を噛んだ。
彼氏に振られたのはこれが初めてではない。高校に入ってできた彼氏は皆、口を揃えたように「重い」と言う。要は心配のし過ぎや過剰な愛情のことを指すのだと、美紅自身わかっている。そのため、毎度気を付けて接するのだが、毎度うまくいかない。好きになっただけあって相手も悪い人ではない分、責めることもできない。
原因はすべて自分にあるのだ。美紅は今回も自分に言い聞かせた。
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