「重い」

1/9
前へ
/18ページ
次へ

「重い」

「ごめん、そういうのさ、もうきつい。付き合いきれない」  えっと、そういうのって。 「重いんだよ、俺には」  ごめん。……わかった。  ダメだとわかっていたのに、またやってしまった。美紅は唇を噛んだ。  彼氏に振られたのはこれが初めてではない。高校に入ってできた彼氏は皆、口を揃えたように「重い」と言う。要は心配のし過ぎや過剰な愛情のことを指すのだと、美紅自身わかっている。そのため、毎度気を付けて接するのだが、毎度うまくいかない。好きになっただけあって相手も悪い人ではない分、責めることもできない。 原因はすべて自分にあるのだ。美紅は今回も自分に言い聞かせた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加