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序章
私は高校二年生のとき。同級生の黒須絢斗君と言う、一輪の黒百合のような美しい少年に想いを寄せ。
結婚出来たらいいなって思っていた。
しかし、想いは通じる事はなく。離ればなれになり。月日が過ぎて二十六歳を迎え、大人になって再会を果たした黒須君は私に──。
『契約妻になればいい』
と言った。
あまりの言葉に俯いていた、顔を思わず上げた。
そのままぎこちなく、私の横に佇んでいる人を見つめる。
その人は弁護士になり眼鏡を掛けて。
端正な美貌に磨きが掛かった、大人の男性に成長していた。
それは私の初恋の人。黒須絢斗君に間違いなかった。
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