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「っと、危ない。真白。今のは甘イキかな。これ以上続けたら、また真白が意識を失うかも知れないから、やめておこう。敏感な体というのも少々考えものだな」
余裕たっぷりに静かに笑う黒須君。
私は何も言えず、甘くも重い余韻に体が震えてしまうだけ。
優しく頭を撫でるられているその刺激さえぴくりと、反応してしまう。
「はぁ、はぁっ……」
「少し落ち着いたら、送っていく。後片付けは俺がやっておくから」
落ち着いた黒須君の言葉。そしてもう終わりだと片手で器用に、私の下着やストッキングを元の位置に戻した。
私の中ではまだ甘い余韻が渦を巻いて、お腹の奥が切なくて仕方なかった。
お預けをされてしまった蜜壺は今だに、黒須君を受け入れたくて泣いているかのように蜜を溢れさせている。
黒須君の胸元に縋りながら。
「はぁ、んっ。黒須さん、私まだ……」
「真白、ひょっとして続きがしたい?」
黒須君の伶俐な瞳を見つめながら、その言葉に恥を捨てて頷く。
「俺も真白を抱きたい。けれど今日は家に帰って報告をしないと」
優しく諭すような口調。これでは私の方が淫らに黒須君を求めているような、ふしだらな女みたいだと。
顔が熱くなってしまって視線を逸らし。小さく「ご、ごめんなさい」と呟くと。黒須君は私の額にキスを落としながら。
「何も悪くない。そうやって俺だけを求めて。ずっと俺のことを考えていて。もっともっと、淫らな真白の欲望を俺だけに曝け出して欲しい。俺が全て受け止めるから」
最後にまた。
「真白は可愛いね」と、言われ抱きすくめられた。
この腕の暖かさや、体の疼き。
どこか黒須君から感じる、危険を孕んだ蠱惑的な魅力。一時の快楽かも知れない危うさに切なさ。
それら全てを目を伏せても──今は側にいたい。
そう思いながら、火照る体をもて余すのだった。
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