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あと五分したら真白が来るんじゃないか。
一度だけメッセージを真白に送った。
しかし返事は無し。
高校二年生の時の幼い俺はしつこく連絡したら嫌われるんじゃ無いかと、電話の一つも出来ず。
ただじっと待つことしか出来なかった。
すると、神社の奥の会場から音楽が途絶え。
屋台が店仕舞いを始め。光が消えて。
人が波のように引いていく。
なのに、俺は何か理由があって遅れて来ると頑なに信じて。警備員の人達に声を掛けられるまで、動けなかった。
声を掛けられてそこでようやく、夏祭りは終わり──俺の恋も終わったと自覚した。
そのまま失意のうちに。夏の夜のじっとりした暑さは失恋の重みだと思いながら帰路に着いた。
連絡など未練がましいと思い、出来なかった。
遅れて来ると言うのならば、何か連絡があるはず。
でも、それすらも無かった。
ならば、そう言う事なのだろう。
せめて引き際は男らしく。何も言わず、沈黙を守る方が真白が困らないだろうと。
そう、思ったのだった。
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