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「でも俺は真白が結婚していようが、恋人が居ようが関係ない。子供が居ても真白の血を引いているなら愛せる」
そのまま写真の真白に額を寄せる。
当たり前だが、温もりなどはなく。冷たい。
弁護士をやって分かってはいたが、この仕事は人のトラブルの上で成り立つ仕事。
どんな高い地位の人間であろうが、人と接してる限り揉めごとは起きる。それを専門知識を用いて、法律に則り白黒つける。その報酬を貰うのが俺の仕事。
だからこそ人間関係は脆いと、誰よりも心得ているつもりだ。
真白に誰が居ようとも、相手が人であれば綻びはある。人は大なり小なり、何かしら問題を抱えて生きている。だから、綻びが決壊するのを待つぐらいはしよう。
状況次第ならば──俺がそれとなく。
決壊させてやってもいい。
そうして、俺が真白を慰めたらいい。
何年掛かっても最後に真白が手に入れば問題ない。
完全無欠に愛せるのは俺だけ。
そう思ってただ、生きてきたのだから。
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