えいぷりるふーるふぇす♪

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 それは三月の暮れのことだった。小学校から四月一日にイベントやるから来てねというお知らせが来た。その内容を見てみるとにょたチョコ男子と猪との触れ合いフェスをやるそうだ。 「瑠璃お兄ちゃん、知ってたの?」 「知ってたよ。理事長がお知らせ届くまで秘密にしてくれって言われてたから黙ってたけど」 「秘密にする理由あるのかなぁ? それになんで四月一日? 学校はじまってからじゃ駄目なの?」 「まぁそれはスタジオ側の事情だから。翡翠も八くんやカイくんに会いたいだろ?」 「うん。会いたい! 猪さんとは毎日会ってるけど八くんやカイくんには、たまにしか会えないもの」  なんて会話を瑠璃お兄ちゃんのお膝の上でしていた。瑠璃お兄ちゃん、すぐに僕を膝の上に乗せたがるんだよね。お父さんのお膝の上に乗ったら、すぐに僕を奪いに来るし。なんなら今は僕を膝の上の乗せてバックハグしてる。瑠璃お兄ちゃんは超ブラコンだから、僕が大人にならないと。 「まぁ、伊織先生んとこのイベントだから翡翠たち、にょんたんずは女体化しなよ? でないと伊織先生、面倒臭いから」 「それはもう」  伊織先生が面倒臭いのは、もう分かってる。女体化した僕をお嫁さんにしたいって言ってる残念な女の人だから。散々言われた。十歳の子をお嫁さんにしたいと言っている大人は信用するなって。  ただ、グラビア写真家としては名を馳せているし、瑠璃お兄ちゃんもお父さんもお仕事もらってる人だから、ある程度は機嫌を取らないと駄目なんだ。伊織先生、お仕置きで結構酷い目に遭ってるけど、何にも言わないのは寛容なのか、アウトなことしてる自覚あるかは分からないけど。
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