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ひたすら、額を床に擦りつけた。
雇ってくれるというのなら、その靴を舐めてもいい。
「ちょっ、やめてよ。
オレが悪いことしてるみたいじゃん」
私のあまりの勢いに店長は動揺しているようだった。
「まあ、金が必要っていうんなら……」
「雇ってくれるんですか!?」
期待を込めて頭を上げたものの。
「知り合いの風俗になら紹介してやらんでもない」
きっと彼としては親切心からいってくれているんだと思うが、できるのなら最初からそちらへ行っている。
いや、お金のためならそうするしかないのはわかっているのだが、やはり好きでもない男、しかも複数と身体を重ねるのは抵抗があった。
だからこそ、苦手だけれどここに来たのだ。
「そこをなんとか……!」
「えー」
さらに食い下がるが、店長はいい顔をしてくれない。
これはもう、諦めるしかないのかと思ったとき。
「てんちょー、シフトの件なんですけどー」
甘ったるい声とともに私とはかけ離れた派手な女性が部屋に入ってきた。
「あ、お話中?」
可愛らしく彼女が小首を傾げる。
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