15人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
序
ものすごく怖い夢を見て、それが夢なんかじゃなくて現実だとしたら……。
今の私がそれ。
私は断頭台に立っている。処刑されようとしているのだ。
信じられないことだけれど、どうやら現実らしい。
私が何をしたっていうの?
問題を抱え、生きづらさを感じている令嬢たちを受け入れて世話してやったり、どうしようもない不良息子たちを立ち直らせてやったり。
色々と面倒見てやった結果がこれ。
しかも、やってもいない罪名まで、おまけのように付けられて。
公序良俗違反、姦通罪、堕胎強要、誘拐、脅迫、暴行、殺人。ありとあらゆる悪いことをしていたんですって、このわたくしが!
元公爵家令嬢、現在は聖マドレーヌ修道院長であるフォンテーヌ・ド・サンテクスが!
断頭台の下で、愚民どもが騒いでいる。
「どすけべ女!」「さっさと死ね、クソアマ」「神の名を穢しやがって」「売女め! 反吐が出る」などなど、聞くに耐えない罵詈雑言。それらが大きなうねりとなって、私の耳を責めてくる。
最初のコメントを投稿しよう!