その時、ミサイル艇では

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その時、ミサイル艇では

 高級ラグジュアリーに改造された救命艇(ボート)の中は、フワフワのウォーターベッドが設えられていた。  ベッドの上で、勘解由小路は真琴の体にサンオイルを塗りたくっていたという。  海パン1枚の馬鹿は、嫁とどれだけ濃密にイチャイチャ出来るか、それだけを考えていた。  別に、私達が沈もうが何しようが、馬鹿の知ったことではなかったらしかった。 「よーし♡塗り終わったぞーう♡真琴の柔肌に、ココナッツの匂いのする日焼け止めオイルを全身に♡ビキニの隙間に塗り込んだ時、お前がジタバタ嬉しそうに身を捩っちゃうから、随分時間がかかったけどいいよな?♡」 「ウキュウウウウン♡すごきゅ気持ちよかったのでしゅ♡降魔さんの指先が♡真琴のおっぱいの先っちょクリクリした時、もう赤ちゃんが欲しくて堪らなくなっていまちた♡降魔さん♡オス蛇ちゃんがほちいのでちゅ♡」  遂に、外でメス蛇ちゃんがやりたいと言っていた。  もう我慢出来なかった。馬鹿は嫁に覆い被さり、激しく腰を動かそうとしていた。  往年のキョンシー映画のように、伸ばした二指を噛みきり、溢れた血を口元に塗りたくっていた。  ああちゅてき♡嫁は美味しそうに血をペロペロしていた。  汗と血液は、成分的に似ている。馬鹿の汗と血の匂いと味は、恐ろしく蠱惑的な媚薬成分となって、嫁を昂ぶらせていった。  ジュブ、ジュブブという感触が、嫁の胎内に侵入した時、妙な波が、ボートを揺さぶり始めていた。 「あん?何だ?航跡(ウェーキ)か?ポセイドンのあれか?」 「ああ♡ん♡ん♡この辺に他に船影は、ん♡赤ちゃん♡赤ちゃん♡あら?莉里ちゃん?」  巨大ミズクラゲの上に乗って、海上を爆走する娘の姿を認めた。 「あいつ、尻は治ったのかな?」 「莉里ちゃんは、碧ちゃんと同じく高い治癒能力を、私から受け継いでいます。ん♡ああ♡今はそっちに集中したいでちゅ♡降魔さん♡」  あああ。まあいいかあ。莉里には護田さんがついてるし。  緑の守護は、真琴がいるしなあ。護田さん、莉里の側を離れんのだあいつは。 「よーし♡じゃあ正作ろう♡ほれ♡どうだ♡」  腰を深く差し込んで捻った。 「ンキュウウウウウウウウウウウ♡!正子ちゃん♡正子ちゃんが♡」  部下と娘の危機を放って、暢気に子作り行為を繰り返す、公然猥褻夫婦の姿があったという。  
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