4月1日 曇りのち雨…

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4月1日 曇りのち雨…

* 【天気予報です。 本日は、全国的に曇りになるでしょう。地域によっては雨の…―――】 「……最悪」 ―――4月1日、早朝。 僕は窓辺に立って盛大に溜め息を吐いた。曇りは曇りでも曇天である。太陽の光を遮るような分厚い雲。自分の気持ちまでも薄暗くなっていきそうだ。 父さんが点けたテレビから漏れる気象情報によると、午後は雨になるとも言っている。本当に最悪だ。 僕の気も知らず、陽気な声で喋るニュースキャスターを睨みつけたくなる。勿論これは唯の八つ当たりであり、画面を咎めるような視線で見つめったて今の現状はどうにもならない。 【今日はなんと! エイプリルフールですね…―――】 だけど、次に耳を掠めた言葉で「……あ」と何かに気付かされた。今日がエイプリルフールだということをすっかり忘れていた。 ……うん、そうだ。 エイプリルフールだってことにすればいい。 結果的に嘘を付いたことには変わらないけれど、それを許されるのが今日だ。 そう思えば、ほんの少しだけ気持ちが軽くなった気がする。僕は颯爽と学校へ行く準備に取り掛かった。 「はーあ、掃除ダルっ」 「それな。今までの春休み気分台無し」 今日は学校の清掃活動日。 新高2の僕たちは強制参加らしく、久々に学年全員集合となった。 近くの男子たちが溢す愚痴には同感。しかし毎日の講習の所為で明日から本格的な春休みが始まる僕と違い、彼らは既に春休みを満喫しているだろう、と少し不満に思う。
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