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14話
出会った時から可愛くて大切なレオンをユーグリッドはずっと愛していた。それ故に傷つけた上にレオンの望まない関係を強いてまで自分のモノにした。本当は閉じ込めてずっと独り占めしたい。
しかしそんな事は叶うはずがないし許されるはずもない。
だけど発情期だけはレオンはユーグリッドを求めてくれる。それが嬉しくてユーグリッドは思いのままに腰を打ち付け、子種を植え付けた。そしていつも感じている思いのたけを、愛を囁き甘やかす。
甘やかすユーグリッドに夢中になり過ぎて絶頂し続けて気絶したり、記憶が飛んだ部分もある。
だがレオンは今までと比べものにならないほどしっかりと記憶があった。
ユーグリッドにねだれば甘やかされ、優しくも情熱的な言葉をもらい、甲斐甲斐しく世話をされ口移しで果物や水を飲み、避妊薬も飲まされていた。
それは六日間ほど続いた。
夢の様なそれはもう本当に、甘い甘い時間だった。
湯浴みも一緒にして、最後にきちんと身支度を整えてからレオンのベッドまで運んだのもユーグリッドだった。
今までキャロラインが世話をしてくれていたと思っていたが、よく考えればユーグリッドの部屋からレオンの部屋まで女性が一人でレオンを運ぶのは難しいだろう。
そんなことにも気づかなかったなぁ、なんてレオンはほわほわした気持ちの中で思う。
「では後はいつも通り頼んだぞ、キャロライン」
「承知いたしました。あの……旦那様、お仕事が立て込んでいるのは判りますが、レオン様が起きるまでご一緒に居られてはいかがでしょうか」
眠くてうとうとしながら二人の会話をレオンは聞く。優しく頭を撫でる手が暖かい。それはユーグリッドの手だと、本能的にレオンには判った。
幼いころからずっと優しく自分を撫でてくれる暖かい手だ。
「レオンは私を嫌っている。出来る限り顔を見せたくない」
「そんなことは……」
「レオンはね、昔から可愛いお嫁さんが欲しいって言ってたんだ。金髪の綺麗な子が好きだってね。だから……もしレオンが望んだら、応えてあげてくれ」
「レオン様は旦那様を愛しております。一度きちんと……」
その直後完全に睡魔に飲み込まれたレオンは夢現の中、俺の相手にキャロラインは美少女すぎだ……と、斜め上のことにツッコミを入れていた。
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