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それでも今となっては分からないが、炭鉱のそこそこの年金を貰い、仕事で受けた労災金で小さいながらも持ち家を建て、娘2人を育て上げた事を自己肯定していた。
「兄貴はサラリーマンで雀の涙の年金で一人娘は嫁に行きそびれて・・・本家の弟は農家を継いで大変で・・・俺は家を出て良かったんだ」と。
父は頑固で卑屈な人だった。
子供の頃は解らなかったが、今考えると病的な所もあった。
いや、年をとってからは完全に精神疾患持ちだったが。
私が高校を卒業し、精神科の病院に勤めてまもなく、カルテ庫で古いカルテを整理していて父のカルテを見つけた時はちょっと驚いた。
一度きりの診療だったが、「自律神経失調症」と診断名がついていたが・・・父が歳をとって性格が酷くなってきてからはあのカルテを思い出す。
(いや違うでしょ、どう見ても社会適応障害か統合失調症だと突っ込みたい)
果たしてあの頑固な父を精神科に誰がどうやって受診させたのだろうか? 疑問が残る。
母では無いと思う。
父の話は書き出すと尽きない。
父の話はまた後で書こう。
これからは、記憶の引き出しもランダムに書き込もうと思う。
普段は忘れているけれど、何気にふと引き出しを開けて思い出すたわい無い記憶を・・・
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