ひいお爺ちゃんに聞いた

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ひいお爺ちゃんに聞いた 戦争のことを教えて欲しいと…… ひいお爺ちゃんは言った あそこにトンボが止まっているな お爺ちゃんは掌を自分の顔に向けてあげた こうやると 昔は 赤トンボがたくさん止まったんだ そしてな そのとき わしは三日食べてなかった だから そのトンボをつかまえて食った わたしは気持ちが悪くなった 戦争ってな 爆弾だけじゃなくてな そういうことが起きるんだ 花火の音も実はこわい あんなに綺麗なものなのにな あれは大砲の音とそっくりなんだ どうしたらいいかわからない いつの間にか始まって 止められないものだから わしに何ができたんだろうかって 今でも思う でも お前たちの世代で どうか 戦争が起きないようにと 祈ってる……
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