18人が本棚に入れています
本棚に追加
「行ってくる」
王冠を被った帝哀が会議場へと立ち去っていく。
その後に続くのは、秦広王、初江王、宋帝王、五官王、変成王、泰山王、平等王、都市王、五道転輪王だ。錚々たる顔ぶれが帝哀の横に並んで歩き始める。
(あれが、冥府の十王……)
全員が揃うと圧倒的な威圧感がある。
今更ながら、一端の鬼殺しである自分と、あちら側に立っている一人である帝哀では、身分に違いがありすぎるように感じた。
(――いや)
誰を犠牲にしても俺を求めろ――本人がそう言ったのだ。
自分は変わらず、帝哀を奪うつもりでいればいい。
改めて決意し、紅花は彼らの帰りを待つことにした。
最初のコメントを投稿しよう!