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「――おや、彼女もこのように仰っているようですし、もはやこれ以上の言い逃れは――」
「いや違う違う違うのよ!! わしは決して浮気など――いやなんでややこしくしちゃうの!?」
尚も不穏な雰囲気を纏う天女様と、いっそう慌てふためく神様。いや、ややこしくしたつもりはないよ? ただ、つい出ちゃっただけで。
「――さて、そのような放蕩者には些かお仕置きが必要のようですね。それでは……天上へと帰りましょうか、あなた様?」
「……あ、えっと、その……はい」
「それでは、ご機嫌よう沢山さん」
「あっ、えっと……はい、ご機嫌よう」
すると、ほどなくそう告げ天上へと去っていく天女様と神様。一応、最後まで笑顔を向けてくれてはいたけれど……うん、完全に目が笑ってなかったよね。
……ただ、それはともあれ……うん、どうかご無事であらんことを。
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