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「……も、もちろんじゃよ天女。わしは、お前だけを一途に――そして、永遠に愛しておる。ほのみんとは、その……そう、ただ遊んでいただけなのじゃ!」
「遊んでいた……ふむ、それでは遊女ということでしょうか。ですが、他の女とそのような関係を持つなど私は許した覚えが――」
「いや違うよ!?」
わたわたと狼狽えつつ弁解をする神様と、何とも不穏な笑顔で話す天女様――そんな二人(二神?)のやり取りを、一人ぼんやりと眺める私。……いや、神様の説明もどうかと思うけど……うん、なんか言い方に遠慮がなくなってきたね、天女様。
「――ねえ、ほのみんからも何か言って! ほんと、お願いだから!」
「……へっ?」
すると、不意にこちらへ懇願の意を示す神様。その言葉通り、甚く真剣な様子で。……いや、まあそれはともかく……うん、今は止めた方が良いと思うよ? その呼び方。
まあ、それはそうと……うん、助けてやらんこともないか。なんだかんだ、助けてもらってる気もしないではないし……さっきの台詞じゃないけど、私達の仲だし。なので――
「――こんの浮気者ぉ!!」
「ええっ!?」
きっと思いも寄らなかったのだろう、大きく目を見開き声を発する神様。……いや、私もびっくりだよ。よもや、こんな言葉が出るとは。
……まあ、でもあれかな? ほら、なんか私だけの神様みたいなとこあったし。
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