明日からダイエット

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あー、おなか空いた。 目の前のテーブルの上にはたくさんの料理が並んでいる。 さすが、大手企業に勤めるエリートが選んだ店だけあって、どれも美味しそう。 向かいにはスーツ姿の男性が三人。みんなシュッとしていてカッコいい。 私の横並びには会社の同僚の女子二名。どちらもモデル体型の美人だ。 今日はこの合コンがあったから、気合を入れてランチを抜いてきた。 早く食べたい私はみんなに取り分けることで、食事を始めようと暗に促す。 自分の分の肉や揚げ物などの好きな食材は、みんなのお皿より多めによそる。 しかし、私以外のメンバーは話に夢中で料理には一切興味がないようだ。 なぜ、ぽっちゃり体型の私がこんな美男美女のあつまる合コンに呼ばれているのか、私は知っている。 引き立て役。 場の空気を読み出しゃばらず、かといって卑屈にならず、盛り上げ役を買って出る。 最大の使命は、美人二人へのさり気ないアシストだ。 私は美味しい料理を食べられれば文句はない。 会計を男性が持ってくれるなら言うことなし。 彼氏を作ろうなんてこれっぽっちも期待していない。 さあ、今日も美味しい料理を堪能することにしよう。 なにかに見られてると感じ視線を上げると、目の前に座っている弟系のイケメンがこちらを見て微笑んでいた。 「仁美(ひとみ)さんて本当、美味しそうに食べますね。見てるこっちも嬉しくなります」 社交辞令ではなさそうなのは雰囲気から感じられる。 私は誓った。ダイエットしよう、明日から。
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