明日からダイエット

「仁美ちょっと遅れるって」
「おいおい、身分わきまえろって！主人公キャラかよ」

「仁美の奴、この間の合コン相手からもらったランチ無料券、喜んで使ってたよ」
「あー、あのダメだった合コンの」

「あの無料券、フレンチコースだからね？ランチで」
「あたしらが喜ぶと思ってんのかよ。ランチでフレンチなんか食べたら体型維持キツイって」

「あの男どもも渡す相手を選べよって感じ」
「あたしらじゃなくて、ピンポイントで仁美狙いだったりして」

「え、デブ専？」
「あははは。そんなわけないっしょ」

「ワタシが営業に貰ったってことにしている大盛唐揚げ弁当無料券を譲った時もニコニコ顔だったからね」
「あんた、あの無料券、わざわざ買ってきたんでしょ。やるわね」

「唐揚げの大盛って！デブまっしぐら」
「とどめはワタシが譲ったスイーツバイキング無料招待券」

「招待券握りしめて、すっごいキラキラした瞳してんの」
「あれは笑えた」

「とりあえず、これで安泰だね」
「まあね。それにしても、仁美って意志が弱くて助かるよ」

「確かに。仁美にダイエットされたらうちらが困るじゃん」
「そうだよ。合コンなんて誘えない」

「だよね。相手の男、全部持ってかれる」
「そんなの絶対無理」

「だから仁美には今まで通り、デブのままでいてもらわないとね」
「あ、今日の合コン相手来たよ」