3.2回目のエイプリルフール

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3.2回目のエイプリルフール

 そして今年のエイプリルフールがやって来た。何と今年は当日がデートの日だ。どんな嘘を付かれるのか、最大限警戒していなければ。 「いやー、今日も良い天気だなぁ」 「そうね……」  普通の会話でも戦々恐々としてしまう。  カフェに入ってお茶をしていたら、拓郎が何かモジモジし出した。これは嘘を付くフラグってやつね!? 私は一層警戒を強める。  その時、スマホに電話が掛かって来た。相手は母だ。扉の外に出て電話を受ける。 「お母さん? どうしたの?」 『友里香、大変よ! カヨおばあちゃんが倒れたのよ! 急いで病院に直行して!』 「そ、そんな、容態はどうなの!?」 『まだお母さんたちにも詳しい事は分からないんだけど、とにかく今からお母さんとお父さんも病院に行くから! 渋谷の〇〇って病院だから!』 「分かったわ! 私もすぐ行く!」  電話を切って慌てて席に戻ると、拓郎はポカーンとしてこちらを見ていた。 「なんだ? 誰から? 急用?」 「おばあちゃんが倒れたんだって! 私今から病院行くから!」 「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待てよ!」 「なによ!?」 「今日ってエイプリルフールだろ? それってネタだろ?」 「はぁぁぁ!? エイプリルフールでも何でもないわよ! あんたと一緒にしないでよ!」 「おいおい、俺が何したって言うんだよ。これから友里香にプロポーズしようとしている俺にだよ!?」 「え? プロポーズ!?」 「そう……そうなんだよ……だから、さ……」 「だからも何もない! 私はすぐに病院に行く! 後で連絡するから!」  制止する拓郎を振り切って、私は病院へ直行した。
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