至高のメニュー

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長かった冬も終わり、辺りも新しい出会いが始まるこの時期。 それでもあの限定メニューに取りつかれているわたしにとっては、新しい出会いなど必要無いように思えた。それは推しを通り越して、沼。完全にハマっている。 思いもよらぬ形で再会したのは、普段は行かない隣町でのことだった。 閑静な住宅街といえば聞こえはいいが、要は人気(ひとけ)の少ない一軒家が点在する田舎町に住む自分にとって、往来の多いこの街はどうにも好きになれなかったのだが、そこには忘れもしない、あの空腹感を充分に満たすだけの価値が存在したのだ。
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