夜中の窓を叩くのは

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「わぁっ! ちょい待って! その話ストーップ!」 「なによ、美絵。ここからがいいところなのに」  私が話を遮ると、波留はその色っぽい唇を不満げに尖らせた。  声が大きすぎたのか、なんとなく周囲の客からの視線を感じる。ちょっと恥ずかしい。  いくら騒がしい夜のファミレスとはいえ、少し油断し過ぎていたのかもしれない。  波留の趣味は都市伝説などの怪談収集だ。月に一度くらいの頻度で、集めた話をこうして私に披露してくれている。  いつもなら喜んで聞くのだけれども、今日の話はちょっと私に効きすぎた。
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