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「誰か……いるの?」
恐る恐る窓の外に呼びかける。
ふし不審者なら、気付かないふりをしてすぐに110するべきだろう。けれども、この時の私は全く冷静ではなかった。
酔ってもいたし、何より恐怖で混乱していたのだ。
(まるで……まるで、さっき波留が話してた怪談の通りじゃない!)
半ばヒステリー気味になりながら、ソファーから立ち上がる。
そのまま、生まれたての小鹿のような足取りで窓に近付く。
遮光カーテンを一気に開き――私は見た。
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