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 しかしその時、お風呂が沸いたことを知らせる音楽が流れる。 「えっ、お風呂?」 「そう、つぐみさんが入りたいかなと思って沸かしておいた」  それから翼久はつぐみを抱き上げると、ベッドを降りて浴室に向かう。これはどう考えても一緒に入ることになりそうだ。 「一人で歩けるんだけど」 「いいの。俺がしたいだけだから」  一人でのんびり入りたかったなぁーーと思ったが、翼久の嬉しそうな顔を見たら、さすがにそれは言えなかった。  浴室に入り、シャワーを出している間に髪と体を洗おうとしたが、 「俺がやるから」 と言われて、彼に任せることになってしまう。  彼が髪を洗ってくれるのは心地良かった。つぐみはうっとりと目を閉じて、翼久の指の動きにほうっと息を吐く。  ただ昨夜からのことを考えれば、それだけで済むはずがなかった。  翼久は手にボディソープを適量取ると、つぐみの体を丁寧に洗い始めた。 「翼久くんの手がエッチ過ぎる……」 「仕方ないよ。これだってやりたかったことの一つだからさ」  足の付け根や、胸の頂、お尻など、細かく丁寧に手が滑っていくが、まるでわざとやっているとしか思えない指先の使い方だった。 「つぐみさん……男子に人気あったんだよ、知ってた?」 「えっ……」 「若くて可愛いくて……そんな話を聞くたびにはらわたが煮え繰り返ってた。つぐみさんの一番近くにいるのは俺だし、誰にも渡さないと思ってたんだ」  翼久はつぐみの唇を塞ぎ、貪るようなキスをする。
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