マッチング

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マッチング

『今度会えない?』  深夜の一時。ポコポコと軽い通知音が静寂を破って、液晶が青く輝く。メッセージが受信された。  種月(うづき)だ。  高校の同級生。腐れ縁はたまに呑みに行くくらいには続いていた。  いつもなら『飲みに行かない?』なのに。暗闇の中、青白い光に目を細めながら、トークルームを開く。 『いいよ』  送信してすぐに既読が付いて、趣味の悪い髭の生えた熊のスタンプが送られる。 『ちなみに、なんの話?』  既読が付いてから暫く返事はなかった。  ポシュッと音がした。相手からの白い吹き出しは、『会ったときに話す』という文字を纏っていた。  チッと舌打ちをする。  深夜に気になることを言わないでほしい。  都合のいい日を送ると、会うのは週末に決まった。  いつも行く居酒屋を指定され、OKとスタンプを送る。  ブルーライトを浴びた瞳は冴え、頭の奥が痛んだ。  久しぶりに会うのが楽しみだった。  新しいブラウスを下ろそうか、と考えながら、訪れる眠気を待った。
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