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第1話 勢いで出たら死にかけた話
戦力外通告ってやつは、けっこー簡単にされたりする。そして、かなり理不尽だ。
「──ミリア・リリ・カルサイト! 役立たずのお前を追放する!」
「……え。ちょっと待っておとーさま??」
玉座にどっしり座りながら、わたしを指さすおとーさま。こういう時、人はショックを受けたりするのかもしれない。でも。
わたしの口から飛び出したのは、自分なりの意見だった。
「今までさんざん『外に出たい!』って言ってたの却下して、そんな声高らかに『追放する!』とか言われても、ちょっと飲めないって言うか自分勝手にもほどがあるのでは?」
どよめく周りはオールスルー。驚くおとーさまにもう一発!
「追い出すなら追い出すで『ミリア、行っておいで』って朗らかに送り出してくれたら『はぁいおとーさま、すき♡』ってなるのに『追放する! どーん!』なんて言うことないじゃん、そういうのよくない! 良くないと思う!」
「み」
「って言うか? そうやって『事を大きくする姿勢』ってどうなの? ああもう良いです! そんなん言うなら出ていくし! 住むとこぐらい自分で決める! さよーなら!!」
☆☆
「────で。……国を飛び出して、行き倒れていたのか?」
「はい。まあ。そういうことになります。」
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