第1話 勢いで出たら死にかけた話

1/1
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ

第1話 勢いで出たら死にかけた話

 戦力外通告ってやつは、けっこー簡単にされたりする。そして、かなり理不尽だ。 「──ミリア・リリ・カルサイト! 役立たずのお前を追放する!」 「……え。ちょっと待っておとーさま??」  玉座にどっしり座りながら、わたしを指さすおとーさま。こういう時、人はショックを受けたりするのかもしれない。でも。  わたしの口から飛び出したのは、自分なりの意見だった。 「今までさんざん『外に出たい!』って言ってたの却下して、そんな声高らかに『追放する!』とか言われても、ちょっと飲めないって言うか自分勝手にもほどがあるのでは?」  どよめく周りはオールスルー。驚くおとーさまにもう一発! 「追い出すなら追い出すで『ミリア、行っておいで』って朗らかに送り出してくれたら『はぁいおとーさま、すき♡』ってなるのに『追放する! どーん!』なんて言うことないじゃん、そういうのよくない! 良くないと思う!」 「み」 「って言うか? そうやって『事を大きくする姿勢』ってどうなの? ああもう良いです! そんなん言うなら出ていくし! 住むとこぐらい自分で決める! さよーなら!!」 ☆☆ 「────で。……国を飛び出して、行き倒れていたのか?」 「はい。まあ。そういうことになります。」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!