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あれ、ちょっと薬っぽい味がするから苦手なんだよね、実は。
わたしはおそるおそる口をつけた。
あれ、これは飲みやすい。
「美味しいです。とっても甘酸っぱくて」
わたしがきれいに飲み干すと、玲伊さんは笑みを浮かべた。
「そう。口にあって良かったよ」
玲伊さんは、わたしの手から空になったグラスを取り、テーブルのトレイの上に置いた。
そしてわたしの隣に座り、長い脚を組んだ。
「さて、初日の感想は?」
「うーん、思っていたよりもずっと疲れました」
「そう? そんなに大変だったかな」
「はい。わたし、写真を撮られるのが大の苦手で。それにずっとおばあちゃんと二人の生活を続けていたから、人が多いところにいるだけでも疲れてしまって」
「そうか。まあ、はじめてのことは誰だって疲れるものだし。でもすぐ慣れるよ。ヘッドスパもしてあげるから、疲れが取れるといいね」
「ヘッドスパ? わ、それもはじめてです」
玲伊さんは準備するからちょっと待ってて、と言って、オーガンジーで仕切られているブースに入っていった。
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