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私に触っている手をぺちっと叩いてから、床に転がったままのアイスを拾って、コンビニの袋に戻した。 「ショータ、荷物は?」 「あー、宅急便?」 「まだ届いてないよ」 「明日には届くんじゃない? 今日は服着ないで過ごすのもアリだし」 「中高生対象の少女漫画に、会ってすぐのワンナイト展開はなし」 「ふうん」 不愉快そうな顔を浮かべるかと思ったら、ショータは楽しそうに笑った。 「一度溶けたアイスをもう一回凍らせても食べられるよな?」 「形は崩れちゃってるけどね」 「置いてったんだからもらってもバチ当たんないな」 家の中を一通り案内して、最後にショータの部屋に連れて行った。 「ここがショータの部屋。ドアには外からも鍵もかかるようになってるから」 「外から見た時この家もうちょっと大きく見えたんだけど?」 「よく気がついたね。この家、もう一個玄関があって、そっちはママの仕事場に通じるようになってる。二世帯住宅みたいな感じ?」 「へぇ。紗羅ん家金持ちなんだ」 「ママが頑張ったから」 「父親は?」 「わたしが小学生の頃、女作って出て行った。それからはママが中学も高校も大学も行かせてくれて、好きなことやらせてくれた。こんな大きな家にも住めて、感謝しかない」 「もしかしてそれもあってネタの提供?」 「まぁね」 「そっか。あのさ、実は……」 「お腹すいた?」 「え? あ、うん」 「ご飯作るよ」 「だったら、手伝う」 これは…… 新しい展開だよね?
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