【4.不具合】

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【4.不具合】

 さて、自分の占いが見事にはずれてしまったアリーだったが、この不具合が他の依頼者でも起こってしまっては大問題だということに気づいた。  アリーの水晶玉は話題になっていて、いまだに依頼者がやってくる。アリーが「不具合があって無理」と言っても、「だって他の皆は当たったって言ってたわよ? 私には未来を言えないような何か不吉な事情でもあって?」なんて聞かれてしまうとどうにも断りづらい。  そこで、水晶玉を購入した『魔女のデボラの店』に不具合を調べてもらうことにした。  デボラはアリーと水晶玉を見ると、前回同様のせっかちな様子で近づいてきて「返品ですか? エイプリルフールには役に立たなかったですかね?」と水晶玉をアリーから取り上げた。  アリーはハッとした。 「あ、そうだった、元々はエイプリルフールの小ネタのつもりだったわね。すっかり忘れてたわ。えっと、役に立たなかったことはないのよ。ただね、ちょっと……。この水晶玉って、自分のことは占えないのかしら?」 「そんなはずはありませんけどね」 とデボラは首を(かし)げ、注意深く水晶玉を見た。  そして、急に()頓狂(とんきょう)な声をあげた。 「ああー!」  アリーは驚いて顔を上げた。 「何?」 「ごめんなさいね、私、変な設定を入れちゃってましたわ」  デボラが苦笑する。
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