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だがただ親父の事を書いただけでは、こっちに何も得がない。
だからお試しと言うように俺は食べたいものと必要事項を記入して、勢いで送信した。
《お申込みありがとうございます。30分以内にご注文を配達いたしますので、少々お待ちください。》
送信完了という文字と同時に出てきたのは、目を瞠るそんな文。
30分以内って……今は夜中の3時だぞ? 配達なんて、できるわけ……。
「騙されるとかじゃ、ねーよな?」
お金は取られていないから損得はない。まぁ個人情報を送ってしまった時点で損かもしれねぇけど……。
こんな都合のいい話、あるわけないよな。腹減りすぎて頭おかしくなったのかもしれねぇし、もう何も考えずに寝るか。
寝られるわけないんだろうけど、そう嘲笑いながらも薄いシーツに体を乗せる。
……――その瞬間、インターホンが鳴らされた。
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