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「おばちゃん、ショックのあまり倒れたんだろ?」
あぁ、まぁ。
そうなるわよね。
手塩にかけて大事にしかも頑張って育てた娘の晴れ姿。それがいきなり湧いて降ってきた鷹に掠め取られてはたまったもんじゃない。
まだ籍を入れてなかったのが不幸中の幸い。
ただ、当事者である遥は不謹慎ではあるが、ちょっとホッとしていた。
孫が抱きたい!という母の煩いほどの圧を感じ結婚マッチングなるものに登録し、トントン拍子に相手が決まりいつの間にかこの場にいる。
そんな感じだったからだ。
昔から川の流れに流されまくる性格で、右にならえならば秒で向く。そんなチョロさ全開の自分だったから何にも気付かなかっただけの話。
きっと、健斗も辛かったんじゃなかろうか。
本当に好きな人がいたのに、結婚なんて。
「お前は、アホか!どんだけ人がいいっていうか、いや、間抜けっていうか。ここは慰謝料もらう!って話だぞっ」
あまり普段は怒らない(まぁ、何故か自分には当たりが強いが)右京が珍しく眉間に皺を寄せて苛立つ姿に遥は逆に冷静になった。
だって、飛んで行ったもんは戻らないもんね。
今思い返せば確かにおかしかったのだ。
今時、結婚までは大事にしたいだの。
最後までしないとか。
出会ってその日にゴールをかます右京からすると、そんか奴は男じゃないらしい。
据え膳食わぬは男じゃねぇ。本当にそいつ大丈夫か?そう言ってくれてたのに、ぼんやりというか。まぁ、そんな人もいるだろう。ぐらいの感覚だった自分の落ち度とも言える。
だから、もう、いいやー
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