4人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「だったら、なんで1週間後になんて」
カレンダーへ目をやったハヅキは、はっと目を見開く。そして、眉間にシワを寄せた。
「まどろっこしいことを。そんなの、二人とも傷つくだけじゃないですか。だいたい、綾瀬くんが気が付かなかったらどうするんですか」
「賭けだよ。気が付いたら終わり、気が付かなかったら、その後また考える」
「なんだかんだいって、甘いんですよ。そんなのでこれからやっていけると思ってるんですか」
ぶつぶつと文句を言いながらも、ハヅキは手元の端末でミラの今後の契約先候補を確認している。万が一がおきた場合、契約先に別のアンドロイドを紹介することになる。その段取りを組めるか、確認しているのだろう。
お互いさまなんだよ。
事務的というよりも冷徹といった印象だったハヅキも、ともに働くようになってからずいぶんと変わった。
でも、ハヅキには悪いが、きっとうまくいかない。おそらく、あの綾瀬という男は気がつく。
────柏木のそんな予想は的中し、1週間後、ミラはあの泣きそうな顔をして、事務室へ飛び込んできた。
最初のコメントを投稿しよう!