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「でもねえ、かみさまにつれられて、おかあさんえらんでいいよっていわれたとき、きがかわったんだ。だって、そこにあなたがうつってたから」
「……そ、んな……そんなこと……」
花凛の言うことが本当なら、この先ずっと、この子は食べて食べて食べて食べて──それでも尚、お腹がすいたと言い続けるのだろう。今はまだいい。けれど、この食欲が未来永劫続くのだとしたら……。
「花凛、あなた本当に……苅田さんなの?」
「かりたじゃないよ、かりんだよ。ねえ、はやくかえろう。かりん、おなかすいたよ」
言葉通り、花凛のお腹がぎゅるると鳴る。その音は、かつて教室で聞いた音とそっくりだった。
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