3人が本棚に入れています
本棚に追加
/179ページ
大通りをすこし外れた場所にある、二階建ての石造りの建物。
外には花がかざられていて、あざやかでかわいい雰囲気。そして、扉の上には、板でつくられたの手製の看板。白いペンキで、味のある文字が書かれている。
『お悩みなんでも解決、よろず屋探偵事務所』
わたしは大きく胸を張り、両手でその店を示した。
「じゃじゃーっん! ココでっす!」
「……探偵?」
「うん! ほらここ見て!」
わたしは看板の横に貼りつけられている紙を指さす。
クロウがそれを見て、抑揚のない声で読みあげる。
「探偵事務所。お悩みごとなんでも相談! 火のなか、山のなか、どこへでも駆けつけます! ……うさん臭いな」
目をすわらせたクロウが一刀両断する。
「あ、まちがえちゃった。そっちじゃなくて、こっち!」
わたしは扉に貼りつけられている別の紙を指さした。またまたクロウが読みあげる。
「急募! 悪魔の巣窟にも飛びこんでいける勇敢な召喚士募集!」
読み終わったクロウがさらに目をすわらせた。
ビミョーな反応……。気に入らなかったのかな?
最初のコメントを投稿しよう!