新たなお仕事

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 大通りをすこし外れた場所にある、二階建ての石造りの建物。  外には花がかざられていて、あざやかでかわいい雰囲気。そして、扉の上には、板でつくられたの手製の看板。白いペンキで、味のある文字が書かれている。 『お悩みなんでも解決、よろず屋探偵事務所』  わたしは大きく胸を張り、両手でその店を示した。 「じゃじゃーっん! ココでっす!」 「……探偵?」 「うん! ほらここ見て!」  わたしは看板の横に貼りつけられている紙を指さす。  クロウがそれを見て、抑揚のない声で読みあげる。 「探偵事務所。お悩みごとなんでも相談! 火のなか、山のなか、どこへでも駆けつけます! ……うさん臭いな」  目をすわらせたクロウが一刀両断する。 「あ、まちがえちゃった。そっちじゃなくて、こっち!」  わたしは扉に貼りつけられている別の紙を指さした。またまたクロウが読みあげる。 「急募! 悪魔の巣窟(そうくつ)にも飛びこんでいける勇敢な召喚士募集!」  読み終わったクロウがさらに目をすわらせた。  ビミョーな反応……。気に入らなかったのかな?
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