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「ど、どう?」
「……人の命を軽んじているインチキ求人だな」
「えーっ⁉︎ そんなことないよ!」
「もっとマシなところはないのか」
「ええっ、ここじゃだめ?」
クロウがくるっと引き返そうとした。だから大あわてでクロウの手をつかんで、なんとか納得させようと引きとめる。
「せめて話を聞いてみるとか!」
「そもそも、あんた召喚士として認められてないだろ。どうするんだよ」
「そ、それは……こう、勢いで!」
「先にあんたのチカラの不安定さを解消したほうがいんじゃねえの」
「不安定?」
そうなの? 自分じゃよくわからないけど……。
「チカラが使えないんじゃ話になんないだろ。今だって──」
苛立ったように手を上に向けたクロウの手のひらからゴオッと、巨大な火柱があがった。
「うえ⁉」
すごい。大きな火!
「ク、クロウ消して! 危ないよ!」
ぼーっと空に突きあがる炎を見ていたクロウが我に返った顔をして火を消す。
「……どうなってるんだよ」
「クロウすごいね。本当に火も出せるんだ!」
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